次の日、出勤すると見慣れないキャストが二人いた。二人とも黒髪で無口なキャストだった。


愛羅と純というらしい。

純はぽっちゃりしていてやたら私を避けていた。
何もしていないのに『怖い』と言うのだ。
どうやら人見知りらしい。


愛羅は２７歳と豪語していてキャバ歴が長いと鼻にかけていた。



二人とも仲良しでいつも一緒に行動していた。


今風に言えば二人は『KY』と言うところであろう。


ももかをはじめとする仲良しキャスト達は彼女達を嫌った。



特に愛羅のKYぶりは凄まじく彼女達が入店してからというもの付け回しに変化があり店が少し変わったと思った。



愛羅と呼んでいるが私は彼女を貞子と呼ぶ事をどうか許してもらいたい。



私は比較的対立を嫌うからいつも平常心でいたのである。
何度も書いたがこのニコイチ組み以外はトラブルは皆無な店だったのでもしも苦手な感じのキャストが万が一、入店してきたらNARUTO仕込みの忍術を使い空気になろうと決意していたのである。


それを案外と早く使う事になった。