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10章:真相
「おっはぁ〜♪」
インターフォン越しに梨香の明るい声が聞こえる。
「今開けるね〜。」
―――――梨香が来た。
「梨香ね〜今日久々に、フォルテのサンドイッチ買ってきた〜。一緒に食べよ〜。あ、コーヒー入れるね。」
とたとたと足早にキッチンへ向かう。
「ん、ありがと。」
梨香の入れたコーヒーは美味しい。
でも、まだ食欲はなかった。体もダルい。
ただ、梨香の気遣いが嬉しかった。
――――早速聞いてみようか。
「ねぇ梨香・・・昨日の夜の事・・・教えて?」
コーヒーの粉を取り出そうと、棚の方に向いているため表情は見えない。
「昨日の事〜?大樹さんから聞いたんじゃないの?」
口裏を合わせるように、大樹に言われてるんだろう。
「アタシね、大樹が嘘をついてる事わかってるんだ。・・・なんとなく覚えてるの。だから本当の事、知りたい。」
梨香はこれに答えず、コーヒーメーカーに集中してる。
「・・・お願い。ね、本当の事・・・、梨香が知ってる事だけでいいから、教えて!大樹には知らない振りするから。。。」
頭がまだ重い。
梨香は黙ったまま、コーヒーを運んできた。
「さ、食べよぅ♪」
「梨香・・・」
アタシの言葉を遮るように梨香は口を開いた。
「真美ちゃん・・・真美ちゃんを見つけたのは梨香だよ。電話が通じないって大樹さんから電話きて、マンションに来たの。インターフォンを押しても反応なくて。探したらマンションの裏に倒れてた。・・・下着姿で。上にはコートが掛けられてたけど。」
下着姿・・・やっぱり服はなかったんだ。
「意識がなかったから、とりあえずコートを着せて、通りかかった女の人に頼んで部屋まで一緒に運んだんだ。それから大樹さんを呼んだの。・・・梨香が知ってるのは、これだけだよ。」
一気に話した梨香は、コーヒーをコクリと飲んだ。
「真美ちゃん・・・覚えてるってどんな事?」
梨香に話すかどうか、何故か一瞬躊躇した。
「うん・・・なんとなくだけど、縛られたあとが残ってるし。あとは体中、触られたような・・・」
――――そう、あの舌が這う感覚・・・
気持ちが悪い・・・・忘れられない。。。
手が震える。
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