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10章:真相 (1/8)

10章:真相


「おっはぁ〜♪」

インターフォン越しに梨香の明るい声が聞こえる。

「今開けるね〜。」

―――――梨香が来た。

「梨香ね〜今日久々に、フォルテのサンドイッチ買ってきた〜。一緒に食べよ〜。あ、コーヒー入れるね。」

とたとたと足早にキッチンへ向かう。


「ん、ありがと。」

梨香の入れたコーヒーは美味しい。

でも、まだ食欲はなかった。体もダルい。

ただ、梨香の気遣いが嬉しかった。


――――早速聞いてみようか。


「ねぇ梨香・・・昨日の夜の事・・・教えて?」


コーヒーの粉を取り出そうと、棚の方に向いているため表情は見えない。


「昨日の事〜?大樹さんから聞いたんじゃないの?」

口裏を合わせるように、大樹に言われてるんだろう。


「アタシね、大樹が嘘をついてる事わかってるんだ。・・・なんとなく覚えてるの。だから本当の事、知りたい。」


梨香はこれに答えず、コーヒーメーカーに集中してる。


「・・・お願い。ね、本当の事・・・、梨香が知ってる事だけでいいから、教えて!大樹には知らない振りするから。。。」


頭がまだ重い。

梨香は黙ったまま、コーヒーを運んできた。

「さ、食べよぅ♪」


「梨香・・・」

アタシの言葉を遮るように梨香は口を開いた。

「真美ちゃん・・・真美ちゃんを見つけたのは梨香だよ。電話が通じないって大樹さんから電話きて、マンションに来たの。インターフォンを押しても反応なくて。探したらマンションの裏に倒れてた。・・・下着姿で。上にはコートが掛けられてたけど。」

下着姿・・・やっぱり服はなかったんだ。

「意識がなかったから、とりあえずコートを着せて、通りかかった女の人に頼んで部屋まで一緒に運んだんだ。それから大樹さんを呼んだの。・・・梨香が知ってるのは、これだけだよ。」


一気に話した梨香は、コーヒーをコクリと飲んだ。

「真美ちゃん・・・覚えてるってどんな事?」

梨香に話すかどうか、何故か一瞬躊躇した。
「うん・・・なんとなくだけど、縛られたあとが残ってるし。あとは体中、触られたような・・・」

――――そう、あの舌が這う感覚・・・

気持ちが悪い・・・・忘れられない。。。


手が震える。


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―深愛―果てにあるもの ©著者:まいん

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