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10章:真相 (2/8)


「あんまり気にしない方がいいんじゃない?梨香は真美ちゃんが今ここにいて話ができて、梨香の入れたコーヒーを飲んでくれてる・・・無事でよかったなぁ。って思う。」

梨香らしい前向きな考えだ。

「ん・・・そうだね。気にしたってしょうがないよね。ありがと・・・梨香」

口ではそう言っても、微弱な震えはとまらない。


梨香がそっと抱きついてきた。


「真〜美ちゃん♪梨香は真美ちゃんが大好きだよ。だから・・・」

梨香なりに慰めてくれてるんだろう。


「あはっ♪わかってるよ。大丈夫!・・・さ、食べよう。」


後ろから首に巻かれた、梨香の腕をポンポンと叩く。

「ん♪食べよ〜」


サッと離れて、袋を開ける梨香。


なんだろう―――


いつもは嫌じゃないのに・・・

今日は違和感があった。


きっと・・・あんな目にあったからだろう。

普段は体を売ってる仕事をしてるのに。。



梨香が買って来てくれたサンドイッチを摘んで話をしてると、大樹から電話が入った。


「もしもし?ごめん、ちょっと抜けれそうにないんだ。梨香、来てるの?」


心配そうな、申し訳なさそうな声で話す。


「うん、来てるよ〜。大丈夫だから、仕事しなさい。」

笑いながら、わざと元気に答える。


「そっか、んじゃ夜行く。行きます、行かせてください!」


安心したのか、いつもの大樹だ。


「あ〜い、じゃあご飯お願いします。」


「わかった〜じゃあ夜に」


電話を切ると、梨香が携帯をいじってた。


「ごめんね、大樹来れないって電話だった。」


「うぅん、そっかぁ・・・今日忙しいのかもねぇ。」


しばらく話してると、梨香が眠そうな顔してる。

「梨香?眠いなら寝ていいよ?アタシもブログ更新するから。」

アタシは営業ブログをやっている。

店にくる客の中には、アドレスや電話番号を聞いてくるヤツが多い。

もちろん教える気はない。

かと言って、突き放す訳にもいかない。


それで始めたブログ。

最近はサボりっぱなしだった。


「ん、実は昨日寝てなくて・・・ベッド借りる〜」

フラフラとベッドに行き、布団に潜り込むと、直ぐに寝息を立て始めた。


――――もしかして・・・梨香にも心配かけちゃってたかなぁ。


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―深愛―果てにあるもの ©著者:まいん

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