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7章:おもちゃ
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「拓実もキメてからやれば良かったのに。よくわからないけど、その方が気持ちいいんでしょ?」
「俺、キメると勃たなくなるから…」
そうか…拓実は最初からセックスするつもりだったんだ…。
だから私だけに、うんと濃いヤツを打ったんだね…
シャワーを浴びながら、何度も心の中で反芻する。
…最初から言えよ、卑怯者。
そうやって拓実を卑怯だとなじり続ける事で、私は自分を正当化しようとしていた。
本当は…本気を出して抵抗すれば、あの場を逃げ出すこともできた。
けれど、それをせずに目の前の快楽に溺れていたのは、紛れもなく私だ。
覚せい剤が欲しいと思った時に頭に浮かぶのはいつもこの時のこと。
この時の記憶が鮮烈すぎて、その後のどんな出来事もそれを塗り替えてはくれなかった。
忘れたくて、
忘れたいのに、
忘れられない、脳に深く刻まれた記憶。
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