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5章:孤独
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5章:孤独
どのくらい、時間が立っただろう。
そろそろ明るくなって来てしまうかも知れない。
みみはガタガタと震えながら耳をすます。
どうしたらいいのだろう。
いやな想像ばかりしてしまう。
ガサッ……
すぐ近くで物音が聞こえた。
みみはパッと顔をあげ、固まった。
シャリ、シャリ、と足音が近づく。
みみは強く目を瞑り、下を向いた。
みみ: (たすけてっ…)
そんな事を言っても、きっと無駄だろう。
『おいっ!』
聞きなれない声が聞こえる。
『大丈夫かっ!?おいっ!!』
意外な一言に、みみは目を開けた。
その男は直ぐみみに駆け寄り、上着を脱いだ。
見慣れないスニーカー。
誰だろう。
男はみみの体に上着をかけ、慌てた様子でみみに話かける。
男: おいっ!大丈夫かっ!?
みみ: ……
みみはゆっくり男を見た。
誰だろう。知らない顔だ。
男: ったく…誰がこんなこと…!!
男は悔しそうに呟き、後ろを向いた。
みみ: やめてっ!誰にも言わないでッ!!
男が携帯を取りだし、何やら電話を掛けようとしていた。
男: 大丈夫だ!今、ハサミを持って来てやるから……
みみ: えっ……
男: あと服も……
みみ: ………
男: ただ、女の人に持ってきてもらうだけだから…安心しな!
男は携帯を耳にあて、優しく笑った。
ふいに涙がこぼれる。
情けない。
男は何やら電話で指示をし、携帯を閉じた。
男: 警察呼ぶか…?
心配そうな目でみみを見る。
みみは激しく首を振った。
男: 本当にいいんだな!?
みみ: ……はいっ
涙声で返事をするみみ。
男はパッと後ろを向き、静かに外に出た。
開いたドアからは、半分男の後ろ姿が見えている。
みみに気を使い、少し遠くで待ってくれているらしかった。
しばらくすると、車のドアが閉まる音が聞こえる。
女: ちょっと!どこっ!?
慌てた女の声が聞こえた。
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