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5章:孤独 (2/36)

男: おいっ!!こっちだ!!


男が駆け出す。

みみはそれを心配な様子で見ていた。



女: 怖かったね、大丈夫…?


女は泣いていた。
涙を流しながら、みみの手足に食い込むロープを切る。


みみ: ありがとう……

女: いいのよ!!これ、着て…?

みみ: ………

女: 大丈夫、ちゃんと外で待ってるからね…


女は手の甲で涙を拭い、出て行った。


何やらヒソヒソと話し声が聞こえる。



みみはゆっくり立ち上がり、女が用意してくれた服を広げた。


きれいな色の、スウェットとパーカーだった。

その間には、ビニールに包まれた新しい下着も入っている。


みみの頬にはまた涙が伝う。

恥ずかしくて、虚しくてたまらなかった。




ゆっくりとトイレのドアを開ける。

女が優しい笑顔で肩を抱いた。


女: 大丈夫…?

みみ: はいっ……

女: 彼は帰ったから……お家まで送るわね?

みみ: ……はいっ

女: その前に、ちょっと一息つこうか?


女は車のドアを開けてくれた。

足が痛い。

ずっと不自然な体勢でいたからだ。


ゆっくりと後部座席に乗り込む。

女は暖かいコーヒーを用意してくれていた。


女: ねぇ…?

みみ: はいっ……

女: 警察に…行こう?

みみ: 駄目ッ!!


みみはうずくまる。


女は運転席から身を乗りだし、みみの頭を撫でた。


女: だめよっ…!あなたが苦しむ事になるわ!!

みみ: お願いッ…!言わないでっ…!!

女: そんな事……

みみ: あのっ……!彼氏なんですッ!!


みみはとっさに嘘をついた。


女: えっ…!?


みみは濡れた頬を女に向ける。


みみ: 彼氏がっ……ウッ……

女: 彼氏があんな事するのっ!?


女は声を荒げる。
みみは申し訳なくなった。


みみ: でも……もう大丈夫だから……

女: 大丈夫って……

みみ: 別れたの……それに、引っ越すんだって………

女: ………

みみ: だから……お姉さんっ、絶対誰にも言わないで…!!

女: ………


見上げると、女は悲しそうな目でじっと見つめていた。
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みみ ©著者:まお

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