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4章:依存
みみ: えっ…
放課後友人に呼び出され、聞いた事実は衝撃だった。
今田が辞職したと言うのだ。
友人: だからっ!見たんだって、佐藤くんが…!
みみ: …って、吉井くんが…!?
友人: そうっ!
友人は回りをキョロキョロと見回し、みみの耳元に口を顔を近づける。
友人: 吉井君が、図書室で残ってた今田の事……すっごい剣幕でボコボコにしてた…らしいよっ…
みみは生唾を飲んだ。まさか、そこまでするとは思わなかった。
吉井に抱かれた日から、みみはなるべく今田とは会わないようにしてきた。
今田の授業には出ないように、廊下でもすれ違わないように、気は使ってきたつもりだった。
もしまた今田と関係を持ったら吉井が何するかわからない。
そんな気持ちの他にも、なんだか吉井に悪くてそうするしかなかった。
このモヤモヤした気持ちは何なんだろう、と気になっていたが、吉井はまったく何事もなかったかのように普通に生活している。
もちろん、前のようにみみと話はしていなかったが。
みみ: なんで…
友人: えっ?
みみ: ううんっ!なんでもないっ!
不思議そうに顔を覗き込む友人。
みみは悟られないよう笑顔を作った。
みみ: 何でだろうね?
友人: う〜ん…わかんないなぁっ!でもさぁ、今田って皆にキモがられてたし……吉井も腹に立つ事あったんじゃないっ?
みみ: うん……そうだよねっ!
友人の言葉に、みみは今までそんな男にめちゃくちゃにされていた事を改めて恥ずかしく思った。
みみ: 吉井くんっ!
振り返った吉井は、気まずそうに目を逸らす。
みみは放課後の昇降口で、吉井を待っていた。
吉井: 先帰ってて!
回りにいた友人達に言う。
皆冷やかすような目で二人を見比べ、そそくさと靴を履き変え帰って行った。
みみ: ねえっ…なんで……
吉井は下駄箱から靴を取り床に落とす。
みみ: そこまでっ……
吉井: はぁ?
けだるそうに靴を履く。
みみ: 今田…せんせえの事……
顔を上げた吉井はみみを睨み付ける。
吉井: 言うな!!
低い声で言い放つ。
みみは寂しそうに目を逸らしうなずいた。
吉井は何も言わず立ち上がり、昇降口を出ていく。
もう日が暮れそうだ。
真っ赤に染まる雲を見ながら、みみは帰りのバスに乗り込んだ。
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