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4章:依存
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今田はひっそりと辞めて行ったらしく、すぐに新しい教師が来た。
吉井は相変わらずそっけなく、お互いに言葉を交わす事もなかった。
友人: みみっ!お昼たべよっ?
みみ: うんっ
いつもの裏庭で弁当を広げる。
友人はみみの手元を見てため息をついた。
友人: みみ、またママ出張?
みみ: なんでぇっ?
みみはパンにかじりつきながら目を見開いた。
友人: だってアンタさぁっ、いつもパンじゃんっ!
みみ: うんっ、ママ忙しいからねぇっ!でもいいのっ、ここのパン美味しいんだよぉ〜
みみはニコニコ笑いながらモゴモゴとパンを頬張る。
友人: かわいいねぇアンタってホントッ!でも寂しくないのぉ?
みみ: さみしくないよっ!独り暮らしみたいでいいよぉ!
友人: ……ならいいけどねッ
鍵を開け、シンと静まり返る玄関に腰を下ろす。
みみは靴を脱ごうとかがんだ。
涙がポタリと腕に落ちる。
そのまま膝を抱え、みみは泣き崩れた。
みみ: あっ…ううっ……うっ……
悲しさが込み上げる。
うまく息ができない。
みみ: えっ…えっ……ママぁっ……早くかえって……きてよおっ……えっ……グスッ……
早くに父親を亡くしたみみは、いつも一人ぼっちだった。
母親は片親だと言う理由で、みみに苦労をかけてはいけない。
そんな理由で一生懸命働き、今の仕事につけた。
みみはそんな母親のお陰で、何も苦労はしていない。
だが、出張の多い母親が恋しい事はよくあった。
普段はうっとおしい母親。しかしたった一人ではこの家は大きすぎるのだ。
みみ: えっ…えっ……さみしいよぉっ………
ふと、吉井の顔が浮かんだ。
みみは涙を拭き立ち上がり、リビングのドアを開けた。
鼻をすすりながら受話器を取る。
みみ: 吉井くん……会いたいよぅ……
ボタンを押そうか、迷っていた。
電話をかけたところで、どうしたらいいのだろう。
ただ寂しいからと言って、吉井は来てくれるだろうか。優しく抱き締めてくれるだろうか。
みみは断ち切るように首を振り、受話器を置いた。
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