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4章:依存 (2/32)

今田はひっそりと辞めて行ったらしく、すぐに新しい教師が来た。
吉井は相変わらずそっけなく、お互いに言葉を交わす事もなかった。


友人: みみっ!お昼たべよっ?

みみ: うんっ


いつもの裏庭で弁当を広げる。
友人はみみの手元を見てため息をついた。


友人: みみ、またママ出張?

みみ: なんでぇっ?

みみはパンにかじりつきながら目を見開いた。

友人: だってアンタさぁっ、いつもパンじゃんっ!

みみ: うんっ、ママ忙しいからねぇっ!でもいいのっ、ここのパン美味しいんだよぉ〜

みみはニコニコ笑いながらモゴモゴとパンを頬張る。

友人: かわいいねぇアンタってホントッ!でも寂しくないのぉ?
みみ: さみしくないよっ!独り暮らしみたいでいいよぉ!

友人: ……ならいいけどねッ








鍵を開け、シンと静まり返る玄関に腰を下ろす。

みみは靴を脱ごうとかがんだ。


涙がポタリと腕に落ちる。

そのまま膝を抱え、みみは泣き崩れた。


みみ: あっ…ううっ……うっ……

悲しさが込み上げる。
うまく息ができない。

みみ: えっ…えっ……ママぁっ……早くかえって……きてよおっ……えっ……グスッ……


早くに父親を亡くしたみみは、いつも一人ぼっちだった。

母親は片親だと言う理由で、みみに苦労をかけてはいけない。
そんな理由で一生懸命働き、今の仕事につけた。

みみはそんな母親のお陰で、何も苦労はしていない。


だが、出張の多い母親が恋しい事はよくあった。

普段はうっとおしい母親。しかしたった一人ではこの家は大きすぎるのだ。


みみ: えっ…えっ……さみしいよぉっ………



ふと、吉井の顔が浮かんだ。

みみは涙を拭き立ち上がり、リビングのドアを開けた。

鼻をすすりながら受話器を取る。

みみ: 吉井くん……会いたいよぅ……

ボタンを押そうか、迷っていた。
電話をかけたところで、どうしたらいいのだろう。

ただ寂しいからと言って、吉井は来てくれるだろうか。優しく抱き締めてくれるだろうか。


みみは断ち切るように首を振り、受話器を置いた。
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みみ ©著者:まお

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