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10章:由羅の本性とゆかりの憂鬱
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10章:由羅の本性とゆかりの憂鬱
ゆかりが立ち去ってからすぐに女子トイレを出た由羅は、爆発寸前の怒りを胸に潜めてある場所に向かった。
怒りでパンプスが大きく弾み、だらしなくカツカツと音を響かせて歩く由羅の行く手を、一橋校長と井伊教頭の二人が塞いだ。
由羅「退いて! 邪魔!」
二人は由羅の刺々しい圧迫感に気後れしたが、それでも立ち退こうとはせず、申し訳なさそうに深々と頭を下げた。
一橋「由羅様、申し訳ございませんでした。
私達に免じて理事長を許してあげて下さい。」
火に油を注がれた由羅は、二人に横柄な態度で喰い下がった。
由羅「何? あなた達、外から盗み聞きしてた訳?
いやらしいわね!
あんなことされて黙ってる訳ないでしょ?
死にかけたのよ! 私!」
一橋「申し訳ありません。
由羅様が心配で心配でつい、覗き聞きをしてしまいました。
でも、理事長に悪気があった訳ではありませんので、今、せめてものお詫びとして、我々が頭を下げているつもりです。」
由羅「ふーん、それより私、見事に試験にパスして発言権を得たわ。
いい?
これからは私の言う通りに動きなさい。
この学園は私が仕切るのよ!」
一橋「はい、承知しております。」
由羅は発言権を手玉にとって、二人を手懐けるつもりだった。
学園を司る校長と教頭にのっけから高飛車に迫る由羅と、ヘコヘコとこうべを垂れる二人の関係とは意外なものだった。
由羅「じゃあ、最初の命令よ!
そこ退いて!」
井伊「由羅様…
そ、それは…。」
由羅「いいから退いてー!!」
激越した由羅の迫力に慄然とした二人は、不意に彼女に道を開けてしまった。
そして、由羅がたどり着いた場所とは、全員が解散し、理事長一人が残された理事長室の前だった。
由羅は調所に復讐するために、ここに戻ってきた。
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三人の女豹女教師 ©著者:小島 優子
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