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10章:由羅の本性とゆかりの憂鬱 (2/9)

怒りが収まらない由羅は、ノックもせずに勢い良くドアを押しのけた。


バタン!!!


調所「ゆ、由羅!!」


由羅「このクソジジイ!!

よくもこの私にあんな汚いモノ飲ませたわねー!」


鋭い形相で歩み寄る由羅に怯えた調所が慌ててデスクから立ち上がり、由羅の目前まで駆け寄って土下座した。


調所「すまなかった!

本当にすまなかった!」


この情け無い姿を腕を組んで見下ろす由羅の顔が限界まで引き攣り、すぐにも蹴り倒したい気持ちを露わにして睨んだ。

しかし、名門校を取り仕切る敏腕理事長の惰弱な姿に呆れた由羅は、そっと溜息をつき、鬼の形相を緩めた。


由羅「いいわ!

頭を上げて!

あなたが父親じゃなかったら、その窓から突き落としてるわよ。」


調所「由羅!

許してくれるのか?」


理事長調所 広郷は由羅の実父である。

調所は由羅が幼い頃に妻と離婚し、母親に引き取られた由羅は母親の旧姓「小柳」を名乗った。

幼少期より男勝りな性格だった由羅は学業の成績も良く、辛辣な受験戦争を勝ち抜いて、現役で早応大学への切符を手に入れた。

ところが大学入学時に母親に先立たれてしまい、調所が彼女の生活をサポートするつもりでいたが、父親の援助を拒んで自分で学費と生活費を稼ぐことに決めた。

爽やかなキャンパスライフの傍らで、ある職種を掛け持ち、忙しい毎日を送っていたという。


調所「由羅、突き落とすなんてそんな恐ろしいことを…。

私はお前のおかげで島津先生や大和校長にまで嫌われてしまった。

島津先生も、お前のようなじゃじゃ馬をよく選んでくれたものだ。」


調所は由羅と島津が大学時代から恋人同士としてお付き合いしていることは承知だった。

由羅が田園調布のお嬢様に成り済まして経歴を詐称し、彼の前で猫を被り続けていることまでは知らなかった。


由羅「じゃじゃ馬は余計よ!

あっ、そうそう!

先日彼の方からプロポーズしてきたわよ。」


寝耳に水で婚約の事実を知った調所は、そっと立ち上がって小さく溜息をついた。

彼にしてみれば、納得のいかない話だった。
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三人の女豹女教師 ©著者:小島 優子

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