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14章:服従
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14章:服従
生徒達が登校してくる時間が来た。
この三者面談期間中、理事長、校長、教頭の三人は玄関や廊下に立ち、生徒達に挨拶して迎えることが毎年の恒例となっていた。
この日から私も理事長の隣について挨拶に参加した。
黒ジャケットから白いブラウスの襟を出し、膝上丈の黒いタイトスカートとベージュのストッキングを組み合わせた格好は、理事長の指示によるものだった。
そして、いつものミニスカートは金輪際着用禁止となった。
これは秘書らしくはもとより、自分以外の男性にパンチラを見られたくないという、独占欲の強い井平の信念だった。
「おはようございますー!」
何も知らない生徒達はそんな彼等にいつものように元気よく挨拶を交わす。
井平達もいつもと変わらぬ笑顔で生徒達を迎えていた。
この奥にはケダモノが潜んでいるというのに・・・。
そして、登校してきた古平君が私の姿を見つけた。
古平「おはようございます。
あれ?
優子ちゃん、何でここにいるの?」
三人に元気よく挨拶した彼は、この場にいる私に違和感を感じて、いつもの口調で話しかけた。
小島「おはよう。」
彼の顔を見たとたんに、自然と仏頂面になってしまった私は、ぶっきらぼうに挨拶を返した。
井平の要求は自分以外の人間とはたとえ生徒や女性であっても、挨拶以外の会話をしてはいけないというものだった。
特に仲の良かった古平君のグループには、笑顔を抑えることに必死だった。
古平「優子ちゃん、どうしたの今日は?
えらい愛想わりーじゃねえの?」
これに腹を立てた井平が彼を叱った。
井平「君、失敬だね。
先生に向かって優子ちゃんとは何事かね?」
私はプイッと視線を逸らし、遠目で教室に向かう生徒達を見つめることしかできなかった。
古平「優子ちゃん、どうしたんだよ?
昨日まであんなに楽しく話してたじゃねえか?」
納得がいかない古平君が、さらに私を追求した。
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