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10章:蒼い愛奴
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10章:蒼い愛奴
その夜、僕に当てがわれたのは、二階の奥まった位置にある部屋でした
畳が少し湿っていて、布団もカビ臭いのですが、何とか我慢出来そうです
Tシャツと下着だけを付けて横になっていると、ドアを控えめにノックする音がします
「どうぞ」
と返事をすると、リーダーの老人が部屋に入って来ました
「遅くにすまんな。少し話をしたくてな」
「いえ、僕もそう思ってたから。ところで、あなたを何て呼べばいいの?」
「繁夫というのが名なんだが、みんな繁だの繁じいとか呼んどるよ」
「じゃ、繁さん。僕に話というのは?」
「お前さん、かなりいいとこの坊っちゃんらしいと聞いたが?」
「もうそんな情報が流れているんだね…まあ、世間一般の認識じゃ、そうかも」
「その坊っちゃんが、どうして相沢だの、それと北条の大将に関わりたがる?帰ろうと思えば帰れるだろう。見た感じ、お前さんは闇社会に関わるには、その…」
「その…何?」
「眩しいんだよ。お前さんがただ綺麗な顔をしてるってだけじゃない。俺は世間の底から数えきれんほど人間を見て来たが、お前さんは、こんな事に関わっていい人種じゃない」
繁さんは僕の顔を見つめながら言います
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