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10章:蒼い愛奴
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「何かと思ったら、今さらそんな話?」
僕は首を振りながら話します
「北条さんに僕との約束を取り付けたんでしょう?彼が僕の見込み通りの人物なら、もう僕をただ解放するなんて考えられない。自分の情報収集の秘密の一端を嗅ぎ付けちゃったんだよ、僕は。相沢や蜷川組に対しても、僕は取り引きのカードになるかも知れない。北条という人が評判通りの人物なら、そう考えるはずだよ」
「とんでもない子だな…お前さんは…」
繁さんは呆れた様な声を出しました
「わかったよ。それに関しちゃ、もう何も言わん。北条の大将相手に、ひと勝負打つつもりだな…」
「まあね…」
それが分かるとは、この繁さんも中々のものです
しばらく沈黙が続き、気が付くと、繁さんが黒いTシャツと黒のショーツだけを身に付けた僕の身体をまじまじと見つめています
「どうしたの?」
「あ…いや…何でもない…」
繁さんは、ひとつ咳払いをして続けます
「お前さんも、俺に話があるんじゃなかったかな?」
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