「ゆりあ、今日も予約埋まってるからよろしくねー」

私は次の日からまた働き始めた。
私にはこの仕事しかないと思っていたし、お金を稼ぐということに執着しすぎていたから。

染谷さんは私の体調のことをすごく気にかけてくれた。
でも、この間の一件以来私は接するのが怖くなっていた。

「お疲れ様でした」
「ゆりあ、明後日もよろしくね」

今日は送ってもらわず、そのまま自分で帰る事にした。
人と会う約束があったから。

しばたさん。
AVの事務所の会長さん。
随分と久々だった。
約束のお店に着くと、既にしばたさんは先に着いていたようだ。

「おつかれさま、ごめんね先に始めてたよ」
「いえ、遅くなってすみません」
「めぐちゃん少し痩せたね」
「・・・」
私の名前は今”めぐ”だ。
「適当に注文していいからね」