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6章:〜泣けなくなった自分〜
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「めぐちゃん、お疲れー!!」
「お疲れ様です!」
「いつ見てもめぐちゃんはスタイル抜群だし、顔は可愛いし、性格はピカイチだし言うことなしだよ〜!」
この日はAVのイベントの仕事に来ていた。
サイン会のようなものだ。
1日に何百枚もの色紙などにサインをし、写真を撮る。
その繰り返しだ。
この頃、愛想笑いも、作り笑顔も出来ていた。カメラを向けられると顔つきが変わっていた。
この仕事をするなら最高の特技だろう。
本当の私から瞬間的に「めぐ」というAV女優になる。
みんなが褒めてくれている人間は、めぐだろう。
だって、本当の自分を出すことは許されていないから。
いつだって、めぐを演じている。
めぐの時に褒められる事が多いから、自然とめぐになっている時間が増えた。
本当の自分になるのは、家に帰ってから1人になった時くらいだ。
その時に、1番孤独を感じる。
私は一体なんなんだろうと、疑問を問いかけても答えがない。
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