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3章:ビデオ撮影
カチッ
どこから取り出したのか、おじさんはいきなり私の首に何かをはめた。
「…………」
「うん、よく似合ってる。かわいいな」
思わず自分の首に手をかけてそれを触ってみると、
犬の首輪みたいなベルトだった…。
「これ…なんですか?」
「首輪だよ。今は代わりに着せてやれる着替えもないし、躾のなってない犬並みのお前にはそれで充分だ」
「…………」
「…………」
何も言えなかった。
何かを言うのが、ただ、怖かった。
おじさんは私の目をニヤニヤしながら見つめてる。
このおじさん…怖い人なんだ…。
きっと本当はいつまでも私を家に帰すつもりなんかないんだ…。
きっとこれは、誘拐だ。
私はこれからずっとこんな風にこのおじさんにいじめられ続けるのかもしれない…。
もう…二度とおうちには帰れないのかもしれない…。
そう悟った瞬間、絶望を感じて倒れそうな目眩がした…。
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刻子 ©著者:池沼
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