ホスト,キャバ,風俗等のちょっと大人の無料ケータイ小説!PC,スマホ、ガラケー全対応!

4章:旅は道連れ (1/4)

4章:旅は道連れ

10月になったばかりの某日、ケイさんが職場に遊びに来た。大騒動を起こして辞めたくせにちゃっかり遊びに来れる神経がオカルトだと俺は思う。
ケイさんは和気藹々と職員の皆と喋り、1時間ほど滞在して帰った。
そしてケイさんが遊びに来た日の夜、心筋梗塞を起こして84歳の患者さんが亡くなった。
偶然だろうが、やっぱりケイさんは死神か疫病神か何かの類なんじゃないかと、俺は本気で思った。
そして、またひとつ嫌な思い出を思い出した。前置きが長くなったが、本題に入る。
確か、去年の正月だったと思う。寮生組の俺とケイさんと俺の同期の松田は、新年早々夜勤が入っていた。
冬、特に1月〜2月ってのは、寒いからか患者が亡くなる率がすごく上がるんだが、今年も例外なく「今夜が峠」みたいな患者が新年早々数名いた。
死後処置の面倒臭さはハンパじゃないので、翌日のことを考えて、その日は皆、萎えまくっていたように思う。
夜、俺と松田がテキトーに各階の巡回をして、カルテを書いていた中、ケイさんは休憩室で御神酒と称して酒を飲んでいた。アル中めが。
そしてカルテも書き終わったころ、突然ナースコールが鳴った。405号室----空部屋からだった。
しかし実際、ナースコールの誤作動ってのは結構あって、誰もいない部屋からコールがあるってのは珍しくもなんともなく、恐くもなかった。
ナースコールを止め、俺と松田はカルテを書き続けた。
…が、またナースコールが鳴った。同じ405号室から。
「ちょっと俺、切ってくるわ」
松田が立ち上がって、405号のナースコールの主電源を切りに行った。俺はそれを見送って、カルテを書いていた。そのとき、ふと気付いた。
松田の後ろに、誰かがいる。
「…?」
目を懲らすと、病衣を着た男だとわかる。暗くて顔が見えないが、チラリとこちらに横顔が見えたとき、俺は心臓が跳ね上がった。

15 /60

※この小説を友だちに教える⇒メール

いいね LINEで送る

ケイさん ©著者:hare

夜のケータイ小説サイト「ホスラブ小説」
PC,スマホ、ガラケーで全ての機能が利用できます!

Copyright © hostlove.com All Rights Reserved.