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4章:旅は道連れ
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それは、『今夜が峠』の患者のひとりで、三日くらい前から昏睡状態だった岡田さんだった。
アングリと口をあけて、焦点の定まらない目をしている。両手は不自然に前に垂らされ、やたら猫背になって、松田の後をついていく。松田は岡田さんを引き連れて405号室に入っていった。
俺は思わず松田を呼び止めそうになった。すると、
「お前といい松田といい、揃いも揃って役立たずな上に疫病神たぁどうゆうことだ」
背後から声。言わずもがな、ケイさんである。いつのまに立ってたのか、酒が入っても相変わらずの無表情で俺の背後にいる。
「ケイさん、あれ…」
「よーく見てみろ。ホラ。」
ケイさんが促す。廊下に目をやり、俺は再び心臓が跳ね上がった。
増えてる。405号室から出て来て、こちらに歩いてくる松田の後ろに、人が。増えていた。なかには、違う病棟の患者もいる。
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