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8章:きみの名を呼ぶ
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8章:きみの名を呼ぶ
…
……
…どのくらいそうしていただろう。
優太が行ってしまった道路をいつまでも、いつまでも、ぼんやりと見つめていた。
やがて視界が涙で歪んだ。
『……終わっちゃった…の…?』
私はポツリと擦れた声で呟くと、その場で崩れ落ちて泣いた。
…ふと気付くと…
…私はいつのまにか自分の部屋にいた。靴も履いたまま、泣き腫らした顔のまま…
“いつも”と変わらない私の部屋。
お気に入りのグリーンのふかふかのソファ-は優太も気に入っていた。
芝生のような鮮やかなカーペットには優太がこぼしたコーヒーの染みがまだある。
優太と一緒に買ったゲーム。
優太がペアで買ってきてくれたグラス。
壁のコルクボードにはたくさんの写真と照れながらも数枚撮ったプリクラ。
優太の…
優太の…。
見渡せば見渡すほど“いつも”の私の部屋には、優太があふれていた。
でも、“いつも”は優太がいてくれた。
優太がいて“いつも”だったんだ。
私は急にスイッチが入ったように動きだして鞄の中を探って携帯を出した。
『…優太…。』
震える手で携帯の通話ボタンを押して聞き慣れたはずのメロディコールがやけに新鮮に聞こえた。
繰り返し、繰り返し、流れるメロディ。
でも…
…優太は電話に出なかった。
今初めて、わかった。
私が“別れよ”と言うたびに優太はこんなに心がえぐられるような胸の痛みに耐えていたんだ。
涙が止まらなかった。
あんなに優しい優太に私はなんて酷いことばかり言っていたんだろう。
…そのたびに優太はどんな気持ちで私の言葉を受け止め、優しい笑顔で私を抱き締めてくれたのだろう。
涙が…嗚咽が…止まらなかった。
声にならない声で叫んだ。
…二度と届かない…
…きみの名を呼んだ…。
…
……。
…優太…
…優太…。
…………優太ッ!………………
…それから数日後だった。マンションのポストに見慣れない封筒が入っていたのは。
―…ドクッ…―
…見なくても全身で悟った。
…優太からだ…
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きみの名を呼ぶ ©著者:金木犀
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