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7章:…瞳の色が消えた日。
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『…別れよ…』
私は不貞腐れた態度で言った。
時が止まった気がした。
そして私は…
……見た…。
……人の
…“冷めた”
…瞬間を…。
優太の濡れた瞳は…
暗く…
暗く…
…影を覆って…
…色を
…失った。
…二度と戻らないであろう…
優太の鮮やかな瞳の色…。
「……わかった。」
しばらくの沈黙の後に優太は擦れ声でそう言って、車を走らせてもと来た道を戻り私のマンションに向かった。
“…わかった。”
優太の聞いたことの無い、無機質な声が私の耳に残った。
それでも私はまだ都合のいい事ばかり考えていた。
…マンションに帰れば“いつも”に戻れる。
…もう少ししたら優太の笑顔が見れるはず。
…こんなことで終わるはず無い。
マンションに着いても、お互いどちらとも動かなかった。
やがて優太が口を開いた。
「…ついたよ。」
『…』
何も言わない私に優太は車を降りて後部座席の私の荷物を持ち、助手席のドアを開けて言った。
「…ついたよ?」
私はゆっくりと、力が入らない足をなんとか踏ん張りながら車から降りた。
「…荷物。」
受け取らない私を見兼ねたのか、優太は私の足元に荷物を置くと何も言わず、私の事も一度も見ることの無いまま車に乗り込み……
…行ってしまった。
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