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4章:セオドア (1/6)

4章:セオドア




幸恵は笑った。

恋人を褒められた中学生の様に喜んでいた。


テッドバンディ。
アメリカが生んだ最悪のセックスキラー。



『どうして彼が好きなんだ?』

『理由は簡単よ。豪快で知的でハンサム。彼の時代に生まれてたらアメリカに渡ってプリズングルービーをやったわね。』


『彼を知ったきっかけは?』


『高校生のときに売りをしたの。そのときのお客があたしの黒髪でセンター分けを見て言ったのよ。テッドバンディに気をつけなさいって。変態親父だったけど別れ際に彼のことを書いた本をくれたのよ。』



『それでファンになったの?』

『父親に本を取り上げられても殴りつけて取り返した。それくらい彼は魅力的だった。』



幸恵は本当にテッドバンディに魅力されているようだった。

胸を押さえて彼のことを話す幸恵を奇妙にすら感じた。


『彼は何をしたか知ってるの?』


『なに当たり前なこと言ってんの!?』


『詳しく知りたいからさ。』


『ふん。テッドはステファニーと言う女に恋するのよ。でも捨てられた。彼はマナーを磨いてルックスを別人に生まれ変わるの。』


『そしてステファニーは再会したテッドにメロメロになる。だが彼は婚約した途端にステファニーをゴミくずの様に捨てた。』


幸恵は驚いたように俺を見た。


『あんたやっぱりマニアね。』

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不気味なお客様 ©著者:灰 ライカ

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