（コーチの目、エッチで気味悪い……。）

優衣は、今朝の早朝練習で、初めてそう感じた。

優衣は、17歳になったばかりの女子フィギアの選手である。

女子フィギア選手と言っても、全日本で十位前後、いわゆる有望選手ではなかった。

しかし、優衣が出場するフィギアの大会は、カメラを構えた男だらけになる。

優衣は、“美人過ぎるスポーツ選手”として、男性誌が、好色な特集を組む程の美しい娘であるからだった。

試合の時は、例の、派手な露出の多いコスチュームである。

しかし、優衣のファンの間で、最も

（堪らない）

と話題になったのは、練習で着用する黒のボディストッキングだった。

優衣の練習風景として撮影されたのだが、その写真には、優衣のフィギア選手には珍しい、大きな乳房の見事な盛り上がりや、細く縊れたウェスト、丸く盛り上がったお尻、太腿のボディラインが丸分かりの写真なのだ。

勿論、上向きに反って尖った乳房の形や、桃のようなお尻の形も、その写真ではクッキリしていた。

その写真が雑誌やネットで広まると、優衣はたちまち、“セックスしたい女子アスリートNo.1”になってしまったのだ。