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5章:無くした夢 (1/2)

5章:無くした夢

それから…自宅で一眠りしたが、筋肉痛と二日酔いで久しぶりに仕事を休んだ。
寝ていても思い出すのは過去のこと…

…あれは高校2年の時、菜々美の17才のバースデー。

告白した時にあげたブレスレットを菜々美は毎日つけてくれていた。
菜々美のもっと喜ぶ顔が見たいのと、俺があげたものを身につけている菜々美を見ていたくて…

…だから、自分で作ってみた。
生まれて初めて作ったアクセサリー。

それは当時流行っていたターコイズと言う青緑色の綺麗な石だった。
菜々美に似合う、白いビーズと合わせて作ったチョーカー…

…に、なるはずだったが上手く作れずに、けっきょく携帯ストラップに変わった。
それでも菜々美は嬉しそうに受け取り、携帯を代えてもストラップは大切そうにずっとつけていてくれた。

翌年18才、高校最後のバースデーにはバイト代のほとんどを使って、本格的にシルバーアクセサリーを作るのに必要な材料を買い込み、何度も失敗しながら小さなクローバーをモチーフにしたネックレスを作った。

クローバーの3枚の葉はシルバーで作り、残りの1枚は…

「…えっ?!これ涼哉が作ったの?すごい!!
…………………きれい…」

菜々美は小さなネックレスをヒョイと目の高さまで持ち上げて
…気付いた。

「…涼哉…これって…?」

『それ。菜々美の誕生石…トパーズ。緑色って珍しいだろ?』

そう。1枚の部分だけストーンをはめたデザインにした。

…このトパーズを探すのと、シルバーに組み合わせて加工するのがとにかく難しかった。

「…知らなかった。
……トパーズって緑色があるんだね…」

俺は、ロマンチックにトパーズには長くからある“言い伝え”られている話をしようと思ったのだが…


菜々美は…泣いていた。

泣きながら俺に抱きつき、菜々美は耳元で震える声で言った。


「…私…涼哉に出会えて…本当に良かった。
…涼哉…………………。」

秋の少し肌寒い公園で、俺は生まれて初めて言われた言葉で…

…涙した。




………………涼哉…………………








……………愛してる………………






言葉で泣いたのは昔も今もこれっきりだ。

そして俺は誰かのためにモノを作って喜ばれることに感動し、“菜々美のため”にアクセサリーを作りたいと言う考えがそのまま、俺の夢になった。

高校生と言う…大人と子供の境界線で、ひどく不安定な狭い世界…それでも、俺はすべてに本気だった。

菜々美への想いも…

夢も…
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黒の扉 〜トパーズ〜 ©著者:金木犀

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