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20章:罪
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愁ちゃんのボコボコと浮き出た綺麗な血管に、私は注射針を刺した。
シャブを打ち終わり注射器を抜くと、愁ちゃんは腕で目を覆いながら真っ赤なソファに横になった。
それほどたくさんの量を打ったわけではないけれど、「なんだこれ…」と言ったきり、しばらく愁ちゃんはそうしていた。
私はそんな愁ちゃんを横目にまた使うであろう注射器をシャカシャカと水で洗う。
罪悪感…そんな言葉じゃ言い表せない何ともいえない苦い気持ちが、私の中に広がった。
ただの罪の意識とは違う。
誰もが私の周りから去った。
私がここに記した友人は皆、法的に罪を償った人だけ。
私の胸にしまいこんでいる人達が何人もいる。
その誰もがもういない。
これ以上社会生活に支障をきたせないと、薬と、薬と密接に繋がる私から離れて行った。
そしてたった一人抜け出せない深くて暗い穴に、新たな人間をたった今、引きずり込んだのだ………
私は自分がひとりぼっちじゃなくなったような気がした。
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