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10章:拾ってくれた神
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そして、この頃、
真新しい友人が、薬で塀の中の人となった。
名前はリク。
私より7歳年上のサラリーマン。
朝方のホテル街で急に降りだした雨に困ってる私を車に乗せてくれた。
「事務所まで送るよ、あと名刺もちょうだい。」
DC嬢だってバレバレだった。
男としてのギラつきは皆無…そんな安心感から心を許してしまったのかも知れない。
家が近い事もあってすぐに仲良くなった。
そして、彼もまた覚せい剤の魔力に翻弄されていた。
常にポケットの中にシャブのこびりついたアルミホイルを持ち歩いていた。
彼は拘置所の中から手紙をくれた。
名字+源氏名、それからうろ覚えの住所。
これで郵便物が届くんだから、日本の郵便は優秀なんだか抜けてるんだかわからない。
手紙には私と私の飼い猫の写真が欲しいと書いてあった。
別件の執行猶予中だったリクは刑務所行きが確定していた。
塀の中へ旅立つリクに「出てきたらまた会おう」という言葉とともに、検閲でひっかかるであろうセクシー極まりない私の写真を送ってやった。
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