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10章:拾ってくれた神 (3/5)


ELLEでは、女の子特有の意地悪にも遭った。


待機している事務所でテレビを観ていると後ろから女の子2人の声がした。


「あいつ、たかが仕事に気合い入れた服着るってどうなの?」
「よっぽど客が欲しいんじゃないの?キモ…」
「ありえないよね」
「わかる…なんかムカつく」
「リカさんにイジメてもらう?」


明らかに私に向かって放たれた言葉だった。


リカさんとはオーナーの彼女だという噂の女の子。
ハッキリとした物言いの気の強そうな人だった。
初っぱなからリカさんにイジメられるのはキツいな…テレビを観ながら苦笑いを噛み殺した。


…でもさ、悪い?
私は若さを売りにできるほど若くはないし、特別美人でも可愛くもない。
相手がどんな奴だろうと、チェンジは傷つく。
チェンジされない為の小さな努力をしちゃいけない?


あぁ…でも彼女達にとっては、言いがかりをつける為の理由なんて何でもイイんだろう。
暇つぶしの軽い意地悪。



……地響きをたてそうな感情を、深呼吸で平らかにならす。
怒っちゃいけない…怒ったらおしまい。



彼女達の方に顔を向け、気づいてるよ、とサインを出した。
私の視線から目をそらした2人の女の子はそれきり、話題を変えた。
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その先にあるもの。 ©著者:mimi

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