5章:力関係 (2/5)

類は友を呼び、
薬物は友を呼ぶ。


使用者には使用者だけに反応するアンテナが備わっているのか、いつの間にか仲間ができたりする。
私の周りには薬仲間が増えていった。


ランジェリーパブ仲間のナナちゃん。
キマると貝になったように布団に入って動かなくなる女の子だった。
薬をやってると、他の誰にも本当の意味での本音は話せない。
その点、ナナちゃんには隠さずに何でも話せた。
深さも距離も同じだけ薬にはまっていたから。


仕事場のボーイだったヒロくん。
アルミホイルを細長く折って滑らせるように炙って煙を追う吸い方や、ガラス切りで切った駒込ピペットを細いガラスパイプにして炙るやり方を教えてくれた。
彼はキマるとひたすらおしゃべりにハマる。
何時間でもしゃべり続けた。



仲間が増えると、遊びで使うようになる。
暇さえあれば炙っているようになるまで、それ程時間はかからなかった。