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1章:羽田先生
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1章:羽田先生
寒い。
まだ秋口だというのに。
風が冷たいからだろうか。
小さな体をさらに小さくして、みみは帰りのバスに乗り込んだ。
定期を見せ空いている椅子に座る。制服のスカートからはみ出たストラップの鈴が、チリンッと音を立てた。
ゆっくりと出発したバスから、ふと外を見る。
羽田がいた。
せんせい…今日は一緒に乗れなかったなぁ…
乱れた前髪を指で直しながら。その姿を見つめ小さくため息をついた。
帰りのホームルームが終わると、みな一斉に立ち上がり、帰り支度を始める。
のんびりとしたみみはハッと我に帰り、急いで鞄に荷物を詰め込んだ。
友人: 今日もまっすぐ?
みみ: うん、バイトないけどあんまり調子よくなくって…
先、帰ってるね?
教室を出ると、早く帰ろうと早歩きになる。
柴崎!
聞き覚えのある声。
体育教師の羽田だ。
みみ: はい…?
胸の高鳴りを押さえ、ピンク色に染まってゆく頬を向ける。
羽田: お前、全然日数足りてないぞ!?何してんだよ!
ジャージ姿の羽田が、少し大きな声で心配そうに近づく。
みみは目をそらす。
みみ: あんまり…調子良くなくって…
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