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1章:はじまり (9/9)


そんな経験をしたから、私はあの掲示板に行った。


みんな、どうやって死ぬんだろうか
どうして死にたいんだろうか
どうやったら生きていけるのだろうか


そんな感じで覗いたのは、そこが検索トップにあったから、っていう理由なだけで意味は特になかった(と、思う)


群れるつもりも、仲良くなるつもりもなく、ただ興味があった。


私だけが死にたい訳ではない。


きっと、私よりも壮絶に死のうとした人がいるはずだ。

そう思ってたけど。


私よりも本気で死のうと頑張った人は最後まで見つけられなかった。


考えてみれば、そりゃあ、ここまでやってて生きてる自分が変なだけで
普通はここまでやれば1度くらいは成功してるはずだもの
いるわけないじゃん、と、気づいた時には住人と呼ばれていた。


自殺掲示板の住人。


世間では
『明るく社交的で責任を重んじる人』
が。


実はトンデモなぶっ飛び人間でした、っていうのを知った時。

私は自分をキチガイだと認定した。


心が軽くなった。


死ぬのをやめた(でもちょいちょいやらかしてはいるのは秘密ってことで)。


生きるからには、生きることに頑張ろうと決めた。


頑張れない時には、自殺掲示板に行った。

頑張れる時も行くようになった。


でも、今はそこは、もう
『ない』


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自殺掲示板の人々 ©著者:虹色そら

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