6章:ambiguous (2/39)

「そっか、別れたんだね。」


休み時間、口をへの字にした真面目な顔の花ちゃんはいちごみるくを飲んでいる。


「それ甘くない？」

「この安っぽい甘さがいいんだよー！疲れが吹っ飛ぶー！」


花ちゃんは委員長と無事一線を越え、ますます幸せそうだ。


「後悔してない？」

「正直まだわかんない。実感ないんだよね、あんまり。

綾哉が一緒に居てくれるから、気が紛れてるってゆーか、考えなくて済んでる感じ。」

「そっか。あとはあれだ！打倒美嘉さん！」


花ちゃんは相変わらず友達でいてくれている。


綾哉と高野を言わば二股のような状態だったにも関わらず、友達でいてくれている。


「花ちゃん、ありがとね。」

「ん？なになに？
でもさー、どうしたもんかな。家近いんでしょ？桐谷くんと美嘉さん。

卒業しても離れるわけじゃないんだよねー。心配じゃない？」


足と腕を組み、うーん。と唸る花ちゃん。