3章:Distorted world (38/38)

「今日、飲み会なんだ。」


せっかく素直になれそうだったのに。


「そっか。」


本当に飲み会？
そう思ってしまうよね。


「ねぇ、浮気されたら別れる？」

「なに？いきなり。脅してんの？笑」


高野は呆れたように笑った。


「浮気許す人もいるじゃん。」


これは、あたしなりの布石。


「んー、どうだろ。勿論許せないけど、実際澪に浮気されたとしても、離れたくない、離したくないって思うのかもしれないな。」


あたしが浮気しても、離れたくない？


「あたしは許せないな。」


真っ直ぐ高野を見つめても、彼は普通に会話を返す。


「じゃぁ、俺が浮気したら別れるの？」

「うん。どんなに好きでも別れる。」


浮気を絶対に許せないあたしと、浮気を許してでも離したくない高野。どっちが独占欲が強いんだろう。


そんな意味のない事を思った。