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足音がした。
母が何か喋りながら階段を下ってくる音だった。
内容は、あたしが起こしたイジメの件だ。
居心地が悪くなって下を向く。
母は携帯片手にあたしの隣に座って、タバコに火を付けた。
「お宅もわからない人ね。何度も言うけど、子供同士の事でしょ?親が入ってもどうしようもないって言ってるの。お宅自身子供の頃、少しはからかわれた経験あるでしょ?それと同じですよ。私は娘が何をしようと、されようと、一切介入しませんし責任も負うつもりはありませんよ。彼女自身の事ですから。お宅、過保護すぎるんじゃありません?」
相手はカオリの母親だ。
母が言っている事は完全に開き直りで屁理屈だ。
けれど、屁理屈もこねればこねるほど相手が折れて結局は理屈になる。
暫くして母は電話を切り、
「面倒で過保護なバカ親って嫌だね、アヤちゃん」
とあたしに微笑みかけた。
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