目の前の墓石には、西島聖哉、西島梨沙と書かれていた。
幼い頃、良く二人に遊んでもらっていた記憶...



晴海はその文字をなぞった...




晴海「 りっちゃん... 」




龍星「 ...。 」




晴海「 ねぇパパ、私、二人の事書きたい。 」




龍星「 どうかな... あの二人は、それを望まないんじゃないかな。 」




晴海「 私がライターになったきっかけは、りっちゃんたちなんだよ？ 」




龍星「 う〜ん... でもパパは晴海が産まれてからあまりあの二人と一緒にいれなかったから。 」




晴海「 知ってる限りでいい。 教えて？ 」





龍星「 ... 。 」




龍星は寂しそうに微笑んでいた。
２０歳を迎えた晴海は最近良く母親に似て来た。 彼女からはあれから何の連絡もない。



ずっと親子二人で生きて来たのだ。 自分の父親の死よりも、聖哉と梨沙が居ない寂しさのほうが遥かに強く感じて居た...