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7章:G
彼はいつも必要以上のアクセサリーをつけている。
自己顕示欲が強く
自分に自信がないのかと思っていたが
なによりも彼は寂しがり屋なのかもしれない。
ふとした時彼は悲しそうな眼をする。
いつか話してくれた。
「俺、母さんの記憶あんまりないんだよな。」
彼がまだ小さな時にお母さんは家を出て行ったそうだ。
そして自分の国に帰ったと。
「日本が合わなかったのかなあ。」
そう言いながら笑っていた。
でもその話をする彼は
とても悲しそうで
その後もその眼をする瞬間が
時々あった。
「笑わなくていいよ。
全然面白くないから、その話。」
私はその度彼を抱きしめることしかできなかった。
「ありがとう。
ありがとね、レイ。」
そう繰り返す彼は
まるで小さな子供のようだった。
でもその彼を信じて良いのか
私にはわからなかった。
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