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9章:†Smile for me† (27/27)

篠崎先生のテーブルには、オードブルとキッズディッシュが届いた。

脂っこい料理のキッズディッシュなので、まだ、1歳半にも満たない子には、キツいと思ったけど、ちゃんと、彼女の前にお皿が置かれ、まだ小さいのに、フォークを握ってる。

葵先生が、彼女の口に、料理を入れていた。

近くに行った。

『みゆ、大きいお口開けて!』

葵先生が、ハンバーグを口にいれた。

『水飲むか?』

篠崎先生が、水を飲ませた。

『だめよ、パパ。

お水でお腹が膨れちゃうわ』

『あ、そっか。

じゃ、今度はパパが食べさせてやろう。

ママ、オードブルを食べなさい、全然食べてないじゃないか?』

実柚菜ちゃんが産まれる迄、2人は、お互いの名前を呼んでいた。

でも、その前は〇〇先生だった。

実柚菜ちゃんが産まれた事で、パパとママになった。

2人とも、優しい眼差しで実柚菜ちゃんを見つめてる。

料理を口に入れる時も、飲み物を口にする時も。

フォークは持つけど、まだ、半分は手掴みになる彼女の手を、時々拭いてやりながら、篠崎先生と葵先生は、優しく実柚菜ちゃんを見つめ、そしてお互いに見つめ合う。

翔の赤ちゃん……

この時、無性にそう思った。

この先生達だけじゃなくて、こんな親子の姿なんて、あちこちで見てるのに、でも、何故か強くそう思った。

翔が居て、真向かいの席に私が居て。

その間に、私が産んだ翔の赤ちゃんが居て。

私もきっと、翔の事をパパって呼んでるのかも。

そして、私もママって呼ばれてるかも。

りぃは、母ちゃんになる。

そう翔が言った。

確かに、お母さん役にはなれるかも知れないけど、でも、お母さんにはなれないよ。

だって、もう翔は居ないんだもん。

〔りぃ、泣くな〕

そんな翔の声が聞こえた。

ふと、一番奥の、翔と流矢の為の小さなテーブルを見る。

2人が居た。

だから、お冷やとお絞りを届けた。

〔ご注文は?〕

〔りぃの笑顔〕

翔が言った。

〔翔の奴、ずっとお前の事ばかり、心配してるぞ〕

と流矢が言った。

〔りぃ、開店おめでとう。

俺の気持ちを継いでくれて、ありがとう。

これからだ。

琉斗だけじゃないからな。

お前は、母ちゃんになるんだ。

俺は、ずっと傍でお前を見てる。

だから、泣くな。

りぃ、俺の為に笑え。

笑顔が一番お前らしい〕
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†ふぁみりぃ† ©著者:Jude(ユダ)

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