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6章:‡凪とご近所‡ (2/29)

昨日、全員この部屋に泊まった。

翔の家族。

暫くは、みんなで翔を囲んで暮らす事にした。

水樹さんが、言った。

ミルフィーは♂猫だから、新しく来た仏壇に、マーキングするかも知れない。

それを聞いた凪が、ミルフィーに説得した。

そしたら、理解したようで、ミルフィーは、絶対にしなかった。

何故か、凪の言う殊には従う。

昨日は、レッスンがお休みだったので、ずっと翔と一緒に居た。

蓮も芳樹も。

有弥は残業で、帰って来たのは、夜8時過ぎていた。

和尚さんには、笹寿司とピザをご馳走した。

あの和尚さんは、不思議な方だった。

でも、お昼ご飯を食べながら、翔の高校時代の話を沢山してくれた。

男子高と女子高。

その中身は同じようだった。

ベッド脇の、出窓のシェードを上げる。

今日もいい天気のようだ。

リビングから、お味噌汁と煮魚のいい香りがする。

凪だ。

部屋を出ると、ゴフジョに寄って、それから洗面所へ。

歯磨きと洗顔を済ませると、リビングに行く。

『凪、おはよう。

疲れてるのに、ありがとう』

と言った。

『翔には俺が飯やっちゃったぞ。

炊きたての方がいいからな。

おかずはこれからだ』

と言った。

小さな足付きの杯のような容器に、艶々のご飯が盛られてる。

『翔、おはよう♪』

と言って、お線香を上げた。

『今朝は、梅ご飯だけど、先ずは白い飯を供えないとな』

梅ご飯やゆかりご飯は、翔の大好物。

『お魚煮たの?』

とカウンター越しに訊く。

『ああ、昨日ぶりが余ったから、持って来て、大根と一緒に煮た』

『わぉ!朝からぶり大根?』

『まぁな』

凪は、味噌溶きに味噌を入れると、出汁の中に落として、菜箸で溶かす。

それから、胡瓜と茄子のお新香を切る。

そして最後に、出汁巻き玉子を焼いた。

凪の出汁巻きは、本当に美味しい。

切り口がとても滑らか。

笹寿司さんの玉子も美味しいけど、凪の方が上だと思う。

『りぃ、全員起こして来い。

もう、6時半だ』

と凪が言った。

大変だ!

『うん!』

奥の部屋に行く。

引き戸のドアを開ける。

『ねぇ、みんな起きて!

6時半だよ!』

この一言で起きたのは、芳樹だけだった。

『ヤバ!今日浦和に行かなくちゃ!

おい、有弥、起きろ!』

と隣の有弥を起こす。
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†ふぁみりぃ† ©著者:Jude(ユダ)

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