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4章:‡水と油‡
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夕べ、ミルフィーは蓮に拉致られて、蓮と一緒に寝た。
蓮は本当に猫好きだった。
もう、メロメロ……
♂だから余計可愛いらしい。
今朝、朝食はお米も無いので、お店から持って来たパンと、サラダとベーコン、それに、シチューで済ませた。
蓮と芳樹は仕事に行った。
部屋には凪と有弥と私、そしてミルフィーが残った。
ミルフィーは、放置していても、ラタンの家具に爪を立てる事は一切せず、自分専用の爪研ぎで、ガリガリとやってる。
粗相もせず、ちゃんとトイレ。
有弥が、みんなの部屋の布団を片付けた。
凪が、お風呂掃除をしてるので、私はトイレ掃除を。
〔ミルフィー、あっちに行ってよ!
掃除出来ないじゃん!〕
有弥の声がする。
〔これ、玩具じゃないんだから!〕
なんだ?
トイレの手洗いの台を拭くと、リビングに行く。
すると、ミルフィーが有弥の動かすモップに、夢中でじゃれてる。
『もう、モップ掛けられないよ……』
と有弥が嘆く。
『ミルフィー!』
仕方ないので、サンルーム行き。
ミルフィーを抱き上げる。
『あんた、掃除の邪魔しないでよ。
どうしても気になるのは解るんだけどさ。
暫く此処に居て』
と言って、サンルームの硝子戸を閉めた。
硝子戸の向こうに居るミルフィーは、何となくペットショップのにゃんこみたいで、ちょっと可哀想にも思ったが、床に直に座るので、どうしてもモップ掛けだけはしなくちゃ。
洗面所に行く。
凪はお風呂掃除をまだ続けてる。
洗面台を軽く磨いて、手を洗う。
『凪、何飲む〜?』
〔水樹さんから貰った煎餅有ったよな?緑茶!〕
『解った』
と、手を拭くとリビングに行く。
有弥は隅々迄モップを掛けると
『ね、翔兄の家って、何処に置くの?』
と訊いた、
『一応、廊下側の壁際にするつもり。
そうすると、東向きになるから』
『そっか。
此処ならちょうどいいかもね』
と、有弥がモップを横に持って幅を計る。
『昨日、水樹さんから、八幡屋のお煎餅貰ったんで、凪は緑茶飲むって言ってるんだけど、有弥は?』
『あ、じゃ、俺も!』
と言った。
ポットに水を入れて、スイッチを入れる。
急須に茶葉を入れて、湯飲み茶碗と一緒にテーブルに置くと、戴いたお煎餅を、お皿に並べた。
凪がリビングに来た。
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