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4章:‡水と油‡ (3/26)

お茶を煎れる。

モップを片付けに行った有弥も来た。

『あれ?閉じ込められてたのか?』

と凪がサンルームを開ける。

『だって、モップに纏わり付いて、掃除出来なかったんだもん』

と有弥が言った。

『そっか。

何か猫用の玩具って必要かもな』

と凪が言うと

{にゃあ}

と言った。

ミルフィーは、スタスタとテーブルの所へ来ると、椅子にヒョイッと載って、正座した。

一緒にお茶にお茶に参加するようだ。

でも、手は出さない。

お煎餅をジッと見つめる。

『お前、もしかして、煎餅喰うの?』

と有弥が訊く。

{にゃあ}

有弥が、薄焼きのお煎餅を半分に割って、その半分をミルフィーに差し出した。

結構な大きさが有る。

すると、ミルフィーはそれを喰わえると、自分のマットに行った。

今朝あげた餌は、まだ沢山残ってる。

手で器用に抑えて、首を捻りながら、美味しそうに食べる。

『なぁ、金子さん、昨日どうした?』

お茶を一口飲んで、凪が訊いた。

『幹耶が来たら、帰った。

金子食堂って、無資格営業なんだって。

幹耶が名前貸してたみたい。

でも、その前にも他人から名前を借りてたみたいなんだけど、営業停止になったりして、誰も貸してくれなくなっちゃったみたい。

それで幹耶が貸したらしいけど、今はもう貸してないって。

でも、周りにはまだ、幹耶が名前を貸してるって事にしてるんで、あの食堂が潜りって知ってるのは、幹耶だけって言ってる』

『つまり、幹耶はその食堂の弱みを握ってるんだ?』

有弥が、ミルフィーと分けたお煎餅を食べる。

『一応、近所だからな。

何で世話になるか判らねーし、ちゃんと付き合いだけはして措かねーとな』

凪理論。

確かにこの♂は、義理堅いと言うか、外さないと言うか。

8月には、お中元としてお茶菓子を配り、暮れにはお歳暮として、やはり何かを配る。

夜遅く迄商売させて貰って、何時も迷惑を掛けてるから、当然の事だと言う。

大将も、その前のお祖父さんも、ずっとそうして来てるそうだ。

例え、お茶菓子の小さな折り1つでも、気持ちは伝わる、と言う。

この♂、多分一生こうなんだと思う。

常連さんには、何か1品付けたり、事に依っては、海苔巻きの折りを持たせたり。

美味しくて安いだけで、充分なのに、そうしないと気が済まないようだ。
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†ふぁみりぃ† ©著者:Jude(ユダ)

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