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2章:‡煌璃とご近所‡ (52/52)

見るとその2人は、お豆のサラダを、指で摘んでるではないか!?

そして奥方が

『これさ、何にも味がしないんだけど、塩貰える?』

だからさ、そこにドレッシングを置いたじゃん!?

『あの、こちらを掛けてお召し上がり戴けますか?』

と、ドレッシングを手で示して言った。

『そしたら、豆がビチャビャになっちゃうがね?』

いや、そう言う料理デスカラ……

『そうだよな?

豆が湿気ちまう』

仕方ない。

『只今お持ちします』

あのオッサン、本当に料理人なのか?

ドレッシングを掛ければ、美味しいのに。

塩を持って行く。

家の塩は岩塩。

つまり、ゴリゴリと削るのだが………

ついでに胡椒も持って行こう。

『お待たせ致しました。

こちらが、お塩で、こちらが黒胡椒です』

と、ベージュのソルトミルと、チョコレート色のペッパーミルを置いた。

すると奥方が、ミルの上の部分を、クルクルと回してる。

『なんだいこの塩は!?

湿気て固まってるがね?

こんなのをお客に出すんかい!?
しかもなに?色が付いてるよ!』

まぁね、今から随分昔の事。

こんな形で塩を置く店は、少なかった。

『こちら、岩塩でして、簡単に申し上げますと、お塩の岩なんです。

それで、ちょっと宜しいですか……』

と言って、ミルを受け取ると、蓋を閉めて、削って見せた。

2人はビックリしたような顔で、テーブルに落ちるその塩を見てる。

そして、テーブルを拭くと

『こうしてお使い下さい。

こちらの胡椒についても同じです』

と言った。

そして放れる。

この節、塊の岩塩は結構高価だったのだが、小貫シェフの拘りだった。

やっと塩味の付いたお豆を、2人は相変わらず摘んでる。

挙げ句、手に付いた塩を、床に払い落とす。

この夫婦が、実はこの辺ではちょっとした有名人だと知る迄、そう時間は要らなかった。

あの、麻生一家(Skyline)と似たり寄ったり。

ただ違うのは、取り敢えず仕事をしてる、と言う事と、娘じゃなくて、息子、と言う事。

そして、その息子には、決して誉められそうにないようだが、仲間らしき人物が居るらしい、と言う事だった。

尤も、ベンツにも乗ってないし、あちこちで役員を引き受ける事もない。

でも、かなり癖の強い家族だった。

近所付き合いは、難しい。
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†ふぁみりぃ† ©著者:Jude(ユダ)

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