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1章:†編集前記† (2/14)

先ずは私、桜木りえ。

平成を迎えたこの年、昭和が去るのと同時に、父を失った。

末期の肺癌だった。

翔のアパートを、去年の6月いっぱいで幹耶に引き継いで、私は実家で暮らしてた。

なのに、父の変化に気づかなかった。

ただ、ちょっとおかしな咳をしてるかな?程度。

母もそんな感じだった。

食欲は有ったし、相変わらず塾も、発掘もやってたし。

でも、9月に入って急に、変になった。

元々医者嫌い。

勤め人ならば、会社で健康診断も、人間ドックも有り、引っ掛かっていたのかも知れないが、父は個人経営。

元々、医者をこよなく嫌う父が、自ら人間ドック等受ける事は無かった。

その父が、体調不良を訴えた。

そして、父の学生時代の同級生の個人医院に行った。

肺癌、と診断された。

もう、手遅れの末期だった。

日赤なんかじゃダメ、と言う事になり、父は東京大学医学部附属病院に入った。

癌の進行はあっと言う間だった。

母は、休職して父に付き添った。

勿論、大きな病院だし、完全看護体制だったが、父は、自力で痰を切る事が出来なくなっていた。

看護師を呼ぶ事も出来ない。

それで、母が付き添った。

10月の事だった。

母は、ずっと一緒に入院していたのだが、と言っても、ずっと起きてるワケにも行かず、私は、レッスンを終えると、毎晩東京に行った。

母と交代する為だった。

一晩付き添い、翌朝帰る、この繰り返し。

朝食はスタバ。

レッスンの始まる一時間前になると、凪か砦がお昼を届けてくれた。

レッスンが済むと、凪の店に寄る。

折り詰めを貰って電車に乗る。

母と私の分。

母には一応、病院から食事は出ていたのだが、それじゃ、味気ないから、と凪か水樹さんが用意してくれた。

東武鉄道の駅の傍に、駐車場を借りたので、そこにミラノを置いて急行で先ず、北千住に向かう。

りかは、まだ学生だったし、苦しむ父の傍に、長い時間置くのも憚らわれた。

肺癌は恐ろしい。

最終的には、喉を切開した。

勿論、その時点で、父は声を失った。

何とか年は越えたが、私は、当時の総理大臣の小渕さんが、テレビで平成を宣言したのを、病院の待合室で観た。

それを、意識が朦朧としてる父に話すべきかどうか、本当に迷ったが、結局話さなかった。

父は昭和と共に、この世を去った。
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†ふぁみりぃ† ©著者:Jude(ユダ)

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