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3章:モトウタ (1/11)

3章:モトウタ

水中花

今歳水無月のなどかくは美しき。
軒端を見れば息吹のごとく
萌えいでにける釣りしのぶ。
忍ぶべき昔はなくて
何をか我の嘆きてあらむ。

六月の夜と昼のあはひに
万象のこれは自ら光る明るさの時刻。
遂ひ逢はざりしひとの面影
一茎の葵の花の前に立て。

堪へがたければわれ空に投げうつ水中花。
金魚の影もそこに閃きつ。
全てのものは吾に向かひて死ねといふ、
わが水無月のなどかくは美しき。

伊東静雄
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水中花 ©著者:薫

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