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2章:花嫁の左手 (27/27)

「坂本さん……」

「何? どうしたっ? 痛いよね、頑張れ! 今、救急車呼んだからね」

「ううん。何だか……ホッとしたんです……心の痛みよりは……ああ、ご迷惑をお掛けしました。でもこれで……うん……これで私は主人の最後の恋人に……なれるでしょう?」


〈woman’s first love. women like to be a man’s last romance.〉

男は女の最初の恋人になりたがるが、女は男の最後の恋人になりたがる。


オスカー・ワイルドの名言である。


運ばれゆく担架には、やっと我を取り戻した夫が駆け寄り、彼女に声を掛けつつ付き添うのだ。



ーー愛は尊い。しかし卑しくもある。


ああ…………。

彼女は二人に声無き復讐を果たし、だがしかし、これで夫の気持ちを“全て引き戻せた”と言えるのであろうか。


それでも追い詰められた麻由は今、そうするしか無かった。



私は……ざわめく舞台裏でただひとり、両手をだらりと下げて立ち尽くしていた。








【花嫁の左手……終】




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東京ショートストーリー ©著者:七斗

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