「春霞、あなた、しっかりと生活して、勉強するのよ。第一志望は駄目だったから、高い友愛大学になったのよ。少しばかり勉強ができるといって、たかをくくってはいけないわ。いつも努力しないと。学費も寮費もお父さんと私が一生懸命稼いだお金だということを忘れないで。」

うるさい。わかってるよ。
昔から勉強だけは出来た。よく出来た。北京大学なんて無理だったけれど、そこそこは出来た。姉妹で大学に行くのは恐らく私だけだろう。
姉は早々に嫁に行き、妹は高校をでたら市内の専門学校でそのまま両親の経営するこの小さな運送業を継ぐのだろう。妹は変化が嫌いだ。姉は、、、よくわからない。年が離れているせいで、姉の性格や好みなどは知らない。近郊で、会社員の普通の男と結婚し、子のないまま8年。月に１、2回夫婦揃って顔を出しにくる程度だ。

両親の始めた運送業は起動に乗った。30年前からだ。規模は小さいがいまでは従業員も数人いるほどだ。家の回りにぐるっと倉庫や車庫がある。けして見栄えはよくないが、武范では良いほうだ。よく頑張ったとおもう。二人で。汗と涙と努力と。
だけどね、私、そんなの嫌いなの。