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104章:†芳樹† (1/27)

104章:†芳樹†

まずはねずみ講の話にお付き合い頂きます。

実は私も一度、ねずみ講の説明会に参加した事が有ります。

ご記憶の有る方がいらっしゃるかどうか、もうかなり古い事件ですからね。

サンフラワーズサークル

後輩からの誘いでした。

私は、その後輩に足を洗わせるつもりで臨みました。

会場には勧誘した側とされた側のベアが何組みも居て、そこで1人の人物が、スライドを見せながら得々と説明していきます。

最初は半信半疑だった会場の空気も、段々と真剣になってきて、時間が経過するに伴い、頷きながら熱心に話を聞く人達が増えてきます。

しかし、実はこれ、本当に理解し、納得してるのでは無く、余りにも長い長〜い、挙げ句、要約する事も無い話に、キャパが一杯になっちゃって、逆に理解できたような気分になってしまってたんです。

いきなり、普段使わない、聞き慣れないビジネス用語と、還元率パーセンテージを算出する数式を並べられ、それを熱心に説明されても、理解なんてできるワケありません。

他の参加者が、メモを取って迄熱心に聞く中、私は自分を馬鹿だと思って、諦めました。

解らないモノは解らないのです。

やがて、2時間近くに渡る説明が終わると、その人が参加者に

『何かご不明な点はございませんか?』

と訊きます。

誰も手を挙げません。

そりゃそうです、何がどう解らないのかさえ解らないのですから。

私は何が何でも後輩に足を洗わせるつもりでしたので、手を挙げました。

『あの、システムについての理解は全くできなかったのですが、コレってねずみ講と理解してるのですが』

会場の皆さんから白い目で見られ、後輩が焦り捲ってました。

それでも、皆さん何かの書類に書き込みしちゃってたんです。

勿論、私はしません。

皆さんが書き込みを始めると、その説明をした人が、ヘンに明るくにこやかに、更に私に説明しようとしました。

挙げ句、後輩はその吾人に散々謝ってましたね。

でも、サンフラワーズサークルが摘発されたのは、それから僅か2ヶ月後の事でした。

もしかすると、検索に引っ掛かるかも知れません。

後輩は恥を掻かされた、だの、上司に当たるその人に申し訳ない、だのって散々喚いてましたが、もう、その時はギリギリだったようです。

後半は、芳樹の一面に触れて頂けると嬉しいです。


お付き合い下さいm(_ _)m
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Skyline ©著者:Jude(ユダ)

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