翔にも蓮にも、親戚は居ない。

確かに翔には、照代が居たが、翔は疎まれるだけの存在だった。

我が家が特別に温かい家庭、と言う事ではなく、極平凡な一般家庭。

お客が来れば、極一般的な持て成しをし、歓談するだけ。

後に凪が言いました。

蓮はあの日の事はある意味で、大きなカルチャーショックだったと。

凪にも私にも、別段特別な事ではなかったのです。

何度も体験していた事です。

そして、もう一人、違った意味でのカルチャーショックを受けた男がいました。



明日は久々に峠に行きます。

発表会に向けての細々とした雑用は、蓮が解決してくれそうです。