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12章:†夢幻想† (13/13)

段々頭がハッキリしてきた。

気づいたのは、今居る場所が、ちゃんとしたアスファルトでは無く、ダートと言う事。

しかも、お世辞にも【道】とは呼べ無い様なとんでもない場所。

翔は、何も聞いて来ない。

普段ならきっとキレてる筈なのに、キレる事もしない。

Zは、一定の車間距離を取って、後ろを着いて来てる。

やがて、本線に出た。

すると、Zがパッシングして先行し、あっと言う間に消えてしまった。

翔はスピードを上げず、ゆっくりと下りて行く。

やがて、出口に着いた。

出口、つまり峠の入り口付近には、沢山の人だかりが有り、その中心は周平の様だ。

翔がその近くにミラノを寄せると、そこに集まっていた面々から拍手が沸き起こった。

これって、私を捜してくれてた人達?

凪の姿も蓮の姿も在った。

拓也や純も。

『降りて、みんなに一言言え』

そう翔に言われた。

私が車から降りると、真っ先にやって来たのは蓮だった。

『り〜い!あんた無事だったのね!

何処に行っちゃってたのよ〜!

ホントにホントに心配したわ!

独りで下ろしちゃったし。でもね、まさかあんな霧が発生するなんて思わなかったのよ〜。

それを知ってれば、独りで下ろすなんてしなかったのにぃ〜!』

そう言って私を抱きしめた。

普段はウザい以外の何モノでも無いこの行為、でも、この時は一気に涙が溢れた。

私は、蓮に抱きしめられて、声を上げて泣いていた。

『りぃ、どうしたの?

翔に何か酷い事言われたの?!』

と蓮が言った。

私は泣きながら首を振る。

『りぃ!泣いてる場合じゃねぇ!

みんなに一言謝るんだ!』

と翔が言うと、蓮が、

『泣いてる女の子にそんな言い方って無いでしょ?!

この子、ずっと独りで心細い思いしてたのよ!』

と蓮がキレた。

すると、凪が

『皆さん、すみませんでした。

うちのりぃは夜の峠が初めてで、それなのに、独りで下ろしたのは、全て俺の責任です。

迷惑掛けました!』

と言って腰を折って頭を下げた。

すると周囲からまた拍手が起こった。

『無事で良かったじゃん!』

『流矢じゃね?』

そんな声も聞こえた。

『そうかもな』

と納得する声も。

『皆さんすみませんでした』

と私も頭を下げる。

また、温かい拍手が沸き起こった。
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Skyline ©著者:Jude(ユダ)

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