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5章:†峠の恐怖†
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先頭シルビア、次がフラフラのZ、次が少しマシなCR-X、そして最後尾がミラノ。
普通、運転の一番上手い奴が最後尾か先頭の筈。
とにかく、凪は何とか正常に戻りつつあったのだが、怪しいのは翔だった。
あっちの世界の事は全然平気なのに、こっちの世界のあんな事になると、全くダメらしい。
以前親友を事故で失ったと言うが、そのトラウマなのだろうか。
国道に出る。
後はひたすら足利へ。
今日はこのまま解散?
足利に入る。まだ夕方の4時。
何処で解散になるのか、今は蓮次第だった。
と、今朝集まったロータリーを通り過ぎて、蓮は新しく出来たばかりのファミレスの駐車場に車を入れた。
すると、ZもCR-Xもそれに続く。
蓮は気を利かせて、4台が纏まって停められる場所にシルビアを入れた。
すると、Zも機械的に駐車をしCR-Xもそれに倣った。
そしてし蓮は車から降りると、翔の所へ行った。
翔が車から降りる。凪も降りたので、私も降りた。
店に入ると、黄色いミニスカートのユニフォーム姿のスタッフが出迎えた。
『いらっしゃいませ………あ!先生』
出迎えたのは、田崎えみ、現在レディースのバンドを組んで、コンクールを目指す専門学生。
『なんだ、えみちゃんバイト始めたって、此処だったんだ』
と言うと
『そう、此処、他よりも時給良いから』
と言った。
えみは、私達を奥の席に案内すると、すぐにお絞りとお冷やとメニューを持って来る。
『曲できた?』
と聞くと
『何とか。でもまだコードが付いてない』
と言った。
えみが去ると蓮が
『りぃそうだっけ、やっぱりアタシの目に狂いは無かったのよね?
音楽教室やってるんですって?』
と言ったので、バッグから名刺を取り出すと、蓮と凪にも渡した。
『素敵だわ、アタシもピアノ弾ける様になるかしら』
と蓮が言う。
しかし、蓮の指は白魚の様な指。ピアノよりもギターやヴァイオリンの方が向いてる様だ。
『敬太さんって医者だったんだな』
と、翔がぼんやりと言った。
『うん、結局あのまま勤務になってた』
と私が言うと
『あの2人どうなってた?』
と凪が聞いた。
『結局ICUに入ったみたい』
と言うと
『無理かもな』
と翔が言った。
翌日の新聞に、事故の事が載り、翔の言う通り2人は亡くなっていた。
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