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4章:†新たな仲間† (2/10)

 私は一体何をしてる?

『俺、カツカレー』

『俺は唐揚げ定食』

『じゃ、アタシは生姜焼き』

『りぃは?』

いきなり翔に呼び捨てにされた。

ま、いっか。

『じゃ、私も生姜焼き』

と言うと

『あら?気が合うのネ』

と蓮。

蓮は、肩迄髪を伸ばし細面なので、一瞬迷う。身長は三人の内で一番低い。

顔自体もオトメン。

もう一人、この種の人間と付き合いが有るが、その人物は逞しい。

でも、蓮は真逆なタイプ。シルビアよりも、もっと違う車の方が似合いそうだった。

注文をメモって、店員が消えた。

午前中、何度いろは坂を上り下りしたか、もうワケ分からなくなっていた。

でも、不思議と疲労感は無い。

『少し慣れた?』

と凪が聞いた。

『うん……ヘアピンがどんな感じか掴めたって段階かも』

と言った。

『ま、今日初めてだもんな』

と翔が言う。

『ネ、今迄どんな所走ってた?』

蓮に言われて

『月夜野から入ったり、名草から入ったりして、あの辺りをただ流してただけだったから』

と言った。

『結構、走ってるよな …… いつ納車だったの?』

と凪。

『2ヶ月前』

確かに走ってた。

初めの1ヶ月で 3000㎞ をクリアして、その後、時間さえあればちょこちょこと。

もうこの時既に 6000㎞ に手が届く位になっていた。

『でも、見えないわよねぇ ……… だって一見すると、車なんて乗るより、ピアノを嗜む方が似合ってる感じだもの』

と蓮に言われた。

当然だ。私の本職はそっちなのだから。

『アタシ美容師なのよ。あ、そうそう』

そう言って蓮が財布から名刺を出す。

【AVANT-GARDE】

あ!知ってる!

じゃ、オカマのカリスマ美容師って ……… 蓮のこと?!

市内ではちょっとした有名人。

噂では聞いていた。店に籍を置きながら、ファッション雑誌のヘアメイクを担当してるって。

AVANT-GARDE自体、ちょっとお高めなお店。

市内だけでは無く、周辺に何店舗か店が在って、今度六本木にもコラボで店を出すとか出さないとか。

『あの、蓮さんって ………』

と思わず蓮を見る。

『ヤメテ〔さん〕は余計だわ。呼び捨てにして。

その代わり、アタシもりぃって呼ばせ貰うわ』

と蓮が言うと

『俺もそう呼ぶ。だから俺は凪だ』

と。
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Skyline ©著者:Jude(ユダ)

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