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2章:†迷子のメカニズム† (13/13)

『ここん家の知り合いかい?』

その顔が喋った!

私がただじっと男の顔を見てると、男はまた言った。

『栃木県から来てくれてるんだね、駐車場なら裏に在るよ』

いや、私は ………

つか、この顔はこの世の顔らしい。

私は思い切って窓を開けた。

『あの、すみません、道に迷って困ってるんですけど、足利に行きたいんです。

道分かりますか?』

と聞いた。

『なんだ、そうだったんかい』

と言う。そして私をまたまざまざと見つめて、

『足利なんて行った事ねぇや』

と言って家に戻って行ってしまった。

なんて薄情な人間なんだ?!

かなりムカついた!

しかし、ムカついてもどうにもならない。

此処に何時迄も居ても仕方ないので、私は車を発進させた。

取り敢えず、両側は民家になった。もう少し行けば何か分かるかも知れない。

私はそう思いながら、そのまま道なりに走行した。

やがて、この真夜中に不思議な煙りを煙突から上げる、何だかよく判らない工場が在った。この時間帯にやってるのか。

看板には〇〇化工と書かれてる。
∞∞∞∞∞∞∞∞

余談だが、後に、この化学工場は【ヒドロキシルアミン】による大爆発を起こし、周辺の住民を巻き込む、大惨事を引き起こした。

が、この時には、まだまだそんな事は全然知られて無かったし、この周辺の人達も、一体何の工場なのか、全く知らなかった。

工場自体、塀で囲われてるのでは無く、木で囲われていた。面積も本当に狭く、工場とは言え、個人の町工場程度。建物も小さく古めかしい。

しかも、すぐ近くに何軒もの民家が隣接していた。

私は走る様になってから、この町の人と知り合ったのだが、この工場は謎の工場として、地元ではとても不気味がられ、様々な噂が飛び交っていた。


爆薬を製造してるらしい。

いや、毒薬の製造をしてる。

狭い工場が木で囲まれてるのは、その木の枯れ具合に寄って、生産量を変えるから。

そしてとうとう2000年6月、光の柱を立てて大爆発を起こした。

      ∞∞∞∞∞∞∞

何時の間にか、私は目指していた17号でも、返り咲きたかった50号でも無く、国道は国道でも、354号線に載っていた。

そして、偶然にも太田に向かってる様だった。

ふと走行距離を見ると、もうとっくに目的の100㎞は越えていた。
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Skyline ©著者:Jude(ユダ)

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