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2章:〜暗がりの声〜 (2/5)

 最近、良くやって来る♀。同中の同級生。

麻木深雪はただ今保育士を目指して、私立高校からエスカレーターでの短大生。短大は四大よりも忙しい筈なのだが、何故かこの♀、極最近になってバンドに目覚めた。

保育士を目指す位なので、全くもって何も出来ない、と言う訳でも無く、バイエル程度のピアノは弾ける。でも、彼女はどうしてもギターに憧れたらしい。

バンドブームのご時世、何処の楽器屋の掲示板にも、メンバー募集、の掲示があり、こんな田舎町も、一体どれだけのアマチュアバンドが存在するのやら。

深雪、通称ミュウは、物おじも人見知りも無い。一人っ子の癖に、逞しいと言うか、とにかくマイペース。

掲示板に募集のあった、男子三人組に参戦し、すっかりデビューするつもりで居る。

『ね、書いたのよ、ちゃんとコードも付けた。だからちょっと弾いてみて』

そう言ってピアノの譜面台に、五線譜を並べた。つまり、オリジナルを作ったらしい。

『いくらデビュー(?)でも、やっぱりコピーばかりって言うのもねぇ』

三ヶ月後に控える、地元のイベントのバンド部門に、応募したらしかった。

が、しかし………

私はその譜面を見て絶句。

『ね、これ自分で弾いてみたの?』

そう言うと

『弾けてたら、此処に来ない』

『………………』

とにかく目茶苦茶。キャッチも無ければ、AメロBメロの区切りも無い。サビは何処から始まるやら。

『ね、言っちゃなんだけどさ、これじゃ、どうにもならないよ』

『え〜!せっかく書いたのにぃ』

『だって、先ず良く見てよ!なんで、ここんトコとここんトコだけ三拍子になってんのよ?』

『ん?三拍子?んなワケないよ〜だって、8Beatなんだから〜』

と、こんな調子では、とても演奏するなんて無理。寧ろコラボを重ねて仕上げた方がマシである。

結局書き直し、何とか彼女のイメージに合う様な曲に仕上げてみたが、正直とても聴きたく無い曲が完成した。

やがてミュウが言った。

『そうだ!あんたも一緒にやらない?!』

『私?!』

いきなり何を言い出すのか。

『私忙しいよ、練習にだって、そう参加できないし……』

『りぃならぶっつけで大丈夫!ちょうどキーボード探してたんだ〜だから、りぃを推薦した』

『……………』
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鏡からの使者 ©著者:Jude(ユダ)

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